ニュース全ニュース

芸人の素顔に迫った木村祐一監督のドキュメンタリー『ワレワレハワラワレタイ ウケたら、うれしい。それだけや。』舞台挨拶で西川きよしが思わず落涙⁉ ガレッジセール、NON STYLE、スーパーマラドーナも登壇!

2017年10月13日(金) レポート

『京都国際映画祭2017』では、持続可能な開発目標SDGs(エスディージーズ)を、笑いの力で、わかりやすく、みなさんにお伝えするイベントを実施し、2030年を笑顔あふれる世界への第一歩となるよう目指して参ります。10月13日(金)にはよしもと祇園花月で「SDGs花月~映画もお笑いも新喜劇もぜんぶ~」と題し、特別上映/SDGs連携企画『ワレワレハワラワレタイ ウケたら、うれしい。それだけや。』が上映されました。

この作品は2012年に100周年を迎えた吉本興業が、次の100年へと受け継ぐべく想いを込め、5年の歳月をかけて制作した渾身の一作で、106組の芸人たちがテレビでは絶対に語ることのない、爆笑、苦悩、そして時に涙する知られざるエピソードの数々を吐露しています。芸人という「生き様」に対する思いの丈をぶつける姿は、人前では決して観せることのない一面。真剣に生き生きと語る彼らに誰もが心を打たれ、強い共感を覚える作品となっています。

10月13日(金)には、よしもと祇園花月で「西川きよし/博多華丸・大吉/山口智充/渡辺直美 編」が上映され、木村祐一監督、西川きよし、ガレッジセール、NON STYLE、スーパーマラドーナが登壇しての舞台挨拶が行われました。

「106組のうちのほんの少しでしたけど、いかがでしたでしょうか?」と開口一番に木村。西川きよしは本作のインタビューのために衣装をあつらえたことを早速明かし、「僕、あの日何分しゃべったと思う?」と会場のお客様に質問を投げかけました。「1時間」とのお答えがありましたが、実際は2時間30分。「だいぶ、語らせるのがうまくなった」と木村を労いました。そして本編には収録されなかった、相方・横山やすしとの漫才の稽古の思い出などを振り返りました。若手のころの木村は、うめだ花月の舞台袖で“やすきよ漫才”を見ていたそうで、「師匠たちは出番が20分やのに40分、漫才していたんです。そんな漫才師はやすきよ以外、いませんでしたね」と思い出を語りました。

作品を見たガレッジセール・川田は「きよし師匠が今でも仏前でやすし師匠に声をかけているという話に感動しました」と声を弾ませます。きよしは毎朝、仏壇で手を合わせて日々の報告や困りごとを話しかけているそうです。「そしたら楽になるんです」ときよし。木村は「やすし師匠は今でも、きよし師匠の中で生きているんですね」としみじみ。ところがその後、きよしの独壇場へ。一人しゃべりだすきよしですが、舞台挨拶は時間が限られているため、木村がきよしからマイクを取り上げてしまいました。それでもお構いなしに話し続けるきよし。前日行われた『京都国際映画祭』オープニングセレモニーの裏話も飛び出し、きよしが何か発するたび、ガレッジセール、NON STYLE、スーパーマラドーナが記者会見のようにマイクを一斉に向けるというやり取りに沸きました。

「博多華丸・大吉」編の感想を尋ねられたスーパーマラドーナは、「僕は大吉さんと一緒で、僕もネタを書いているので、ネタが受けた快感は全く一緒です」と武智。一方、田中は「僕はネタを作りませんし、そういう感情は全くありません。お笑いも好きじゃないし、見ててしんどかったです。きよし師匠のインタビューも、よく笑いのことあれだけしゃべれるなって…」と歯に衣着せぬ発言を次々と繰り出し、「師匠に失礼!」という声が登壇者から一斉に上がりました。

インタビューが収録されたのは2012年。「世界に行きたい」といっていた渡辺直美がその後、台湾やアメリカ公演を成功させ、オリエンタルラジオも再ブレイク、ピースも又吉が芥川賞するなど、「このインタビューの後、みんな成功しているんですよね。ところでNON STYLEはどうやった?」と突然、水を向ける木村。井上は「頑張ってますよ!」と声高らかに宣言していました。

ガレッジセール・ゴリは山口智充の姿が意外だったと明かします。「僕もぐっさんが言っていたみたいに“芸人です”って名乗ることに躊躇することがあるんです。それも気持ちが分かりましたし、いわゆる“山口商店だ”と言っていたのも分かりました。やっぱりセルフプロデュースしないといけないし、失敗しても会社のせいにはできないし、逆に会社に任せると色が変わったりもするし…。大阪の番組でよくぐっさんには会うんですけど、いつもふざけてるから、あんなに真面目なぐっさんが新鮮でした」とゴリ、木村のインタビュー術にも舌を巻いていました。

インタビューを通じて「生まれ変わったらまた芸人になりたいか?」という質問を投げかけている木村。男性芸人は「なりたい」という返答が多いのですが、女性芸人はほとんどが「美人に生まれ変わりたい」と答えるのだと話します。「これは女芸人がみんな言うです。そんな姿にキュンとなるんやけどね」と木村、渡辺直美をはじめ女芸人たちの素顔も楽しみな一作です。

改めてきよしに「次も芸人になりたいですか?」とマイクを向けた木村。「もう1回芸人になれるんやったら、小さいころからの貧しさやしんどさは辛抱するけど…。あかんな…涙出そうになるわ…」と涙ぐむきよし。前日のオープニングセレモニーからやすしとの思い出を振り返る場面が多かっただけに、こみ上げる思いがあったのかもしれません。

まだ木村のインタビューを受けていないというスーパーマラドーナにも聞いてみました。武智が「僕は芸人って答えます。でもやる気のない人間と組むつもりはないので、田中と組みたいかといったら違うかも…」と答えているそばで、「僕はやりたくない!」と即答する田中。「じゃあ、何がいいの?」と井上が尋ねると、「ラクして稼ぎたいので、大金持ちの子供とか」と、いかにも田中らしい回答を残しました。

「本日はありがとうございました。今日の出演者も素晴らしいですが、この先順次公開していくので、全員分を観ていただければと思います。そして、ご自身の人生も重ねられて、“自分はこれでいいのか”とか、考えるきっかけになったらと思います。僕たちも特別な人間ではないので、共感してもらえるのでは」と最後に木村が挨拶し、舞台挨拶を終えました。

『ワレワレハワラワレタイ ウケたら、うれしい。それだけや。』は10月21日(土)より、TOHOシネマズ新宿・TOHOシネマズなんばほか、全国順次公開です。

  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア