京都国際映画祭 -映画もアートもその他もぜんぶ-

作品解説

女の魔性と、男の純情があやなす妖美にして凄惨な愛の地獄絵図―“日本のシェイクスピア”とも称される近松門左衛門は数多くの愛の傑作を生み出しているが、なかでも「女殺油地獄」は、男と女の不可思議な愛の姿を追って、時代をこえて生き続ける永遠の名作と名高い評価を得ている。
本作は、そのテーマを不倫にしぼりこみ、人間の奥底にひそむ魔性のヒダを華麗に描き出そうという意図での映画化である。
物語は、油屋の女房・お吉が、油まみれの無惨な死体となって発見されるところからはじまり、お吉がかつて奉公し乳母がわりまでした河内屋の息子・与兵衛との関わりのなかで、妖しい女の性を燃え上がらせてゆく姿が、多彩な人間模様を交えてドラマティックにつづられていく。
サスペンスフルなストーリー展開のなかで、愛の悲劇が浮きぼりにされていく。

キャスト

樋口可南子、藤谷美和子、堤真一、長門裕之、石橋蓮司、岸部一徳、井川比佐志

監督・作品データ