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伝統の染色技法「浸染」で、世界にたった1枚のスカーフを作るワークショップを開催!魔法のような色の変化にヘンダーソンもビックリ!?

2017年10月14日(土) レポート

『京都国際映画祭』のアート部門では、アートを楽しく体験するさまざまな参加型ワークショップを今年も各会場で開催しています。
10月14日、京都伝統産業ふれあい館では、京都に古くから伝わる技能を持った職人さんによる「京の職人 ワークショップ」を実施。午前からスタートした「浸染」のワークショップでは、参加者のみなさんとゲストのヘンダーソンが草木染めによるスカーフ作りに挑戦しました。

「浸染」とは、布や糸を染料の溶液に浸し、色を着ける染色技術で、京都の着物文化にはなくてはならない技。講師を務めるのは、浸染を専門とする京都の工房『松山染工』の松山一成さんです。司会を女と男が「若いですね!」「“職人さん”っていうイメージじゃない!」と驚く松山さんは、笑顔がさわやかな38歳の若手職人。世界的高級ブランド・GUCCIの90周年を記念した着物の染色も手がけたすごい方なのです!

そんな松山さんに教えていただく草木染めは、「色選び」からスタート。黄色い“エンジュ”、やさしい赤の“インド茜”など5種類の植物染料から好みの色を選び、染料の色が布から落ちないように固着する“媒染液”を組み合わせるのですが、こちらは“アルミ”“鉄”“銅”の3種類。媒染液によって明るく発色したり、逆に渋いトーンになったりと色が変わるため、みなさんは色見本を参考にどれにしようかと真剣な表情です。「私もやりたい!」と急遽参加することになった女の男の和田ちゃんは、明るい黄土色の“コガネバナ”と、発色のいい“アルミ”の組み合わせをチョイス。染料を渡されるやいきなり匂いを嗅ぎ、「すごい!濃いピーナッツみたいな香りがする!」とはしゃいでいました。

さて、色が決まればいよいよ「染め」の作業に入ります。ビニール袋にお湯を注いで染料を溶かし、そこに白いスカーフを入れて色を着けるのですが、松山さん曰く、この工程での重要なポイントは「ひたすら揉むこと」!ここでキチンと揉んで、布にまんべんなく染料を行き渡らせないと色にムラが出てしまうんだそう。「ちゃんと揉んでくださいよ!簡単には染まりませんからね!」と市川のゲキが飛ぶなか、ヘンダーソンも“揉み”に臨むのですが、子安は近くにいた参加者の女性に「布をもっとほぐして!」などとご指導を受ける始末。それでも、みなさんとおしゃべりしながらの作業は楽しいらしく、自然と笑顔がこぼれます。一方、「絵を描くのが好き」というアーティスト気質(?)の中村スウィートは“揉み”に没頭!ビニールの中の液体が泡立つほど揉み込む気合いを見せていました。

こうして揉み続けることおよそ20分、色がスカーフに移り、袋の中の液体はみるみる透明に!この驚きの変化に参加者から「すごい!」と声が上がります。ですが、ビックリするのはまだまだこれから。媒染剤を溶かしたお湯でさらに揉むと、まるで魔法のようにスカーフの色合いが変わり、みなさんが「こんな色になったよ!」「さっきと全然違う!」と興奮気味に作品を見せ合うなど会場は大盛り上がりです。
完成したスカーフは「全部欲しい!」と和田ちゃんも色めき立つ素敵な色ばかり。鮮やかな黄色のスカーフを完成させた子安は「スマイルの瀬戸さんにプレゼントしたい」と小粋なスカーフがトレードマークの先輩に思いを馳せ、シックなグレーに仕上げた中村は「なかなかいい色でしょ?」と自慢げ。それぞれが微妙に異なる色を持つ“世界に1枚”のスカーフに参加者のみなさんも大満足です。この素敵な技を教えてくださった松山さんの「この機会に“浸染”という言葉をぜひ覚えていただいて、ほかの人にも伝えてください」というメッセージを受け、最後は全員で「浸染!」と斉唱!楽しいワークショップは大盛況のうちに終わりました。

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