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友近ら五社監督への愛が止まらない! 友近ら登壇の『女殺油地獄』アフタートーク

2017年10月15日(日) レポート

日本映画史にその名を刻む鬼才・五社英雄監督。今年は没後25年の節目に当たり、「京都国際映画祭」では「五社英雄特集」が組まれ、監督の数あるフィルモグラフィーから5作品を選出。映画祭最終日の10月15日(日)によしもと祇園花月で、五社監督が病と闘いながら完成させた遺作『女殺油地獄』(1992年)が上映されました。近松門左衛門が書き下ろした人形浄瑠璃の物語を下敷きに、ふたりの女性と、彼女らの“女の性”に振り回される男性の愛憎劇が展開する官能的なドラマです。

上映後、ケツカッチン・高山MCとして立ち、本映画祭の総合プロデューサー奥山和由さん、友近、監督の娘・五社巴さんを招いてのアフタートークが行われました。

まずは奥山さんが「五社監督に『入れ墨じゃない! 彫り物だ』と怒られる夢」を見るほどに“五社漬け”になっているとご挨拶。この特集をきっかけに、映画祭期間中はいろんな方と五社監督の思い出話をする機会を得た影響だとか。友近は、上映をお客さんと一緒に楽しんでいたそうで「スクリーンで観ると迫力ありますよね」と、いちファンとしてたまらないという表情を浮かべます。そして監督の娘である五社巴さんが紹介され、ここだけならではの話がはじまります。

出演者の樋口可南子さん、藤谷美和子さんの美貌を映し撮っているのが、この作品の大きな魅力のひとつ。しかしキャスティングには苦労があったようで「樋口さんの出演がなかなか決まらず」と振り返る五社巴さん。「最初に断られて帰ってきた日。ごろんと天井を見上げて、『なぜかOK
してくれないんだよな』とボヤいていたのを覚えています」と家族だからこそ知るエピソードを明かします。うなづきながら奥山さんも「『とにかくこの映画は、樋口じゃなきゃダメだ』と言っていました。決まらずにふてくされて入ったレストランで「メニューにあるものなんでもいいから出せ」と言っていた」と八つ当たりエピソードを思い出し、「このキャスティングにこだわったのがすごくわかる」ほど“女優たちの美しさ”に惚れ惚れすると語ります。それに同意しながら友近は、共演者の堤真一さんの話題を。足を開くシーンでの「股関節の柔らかさ」に心奪われたと告げ、「スタイルのよさが目立ちますよね」と女性目線の見どころをうっとりとした口調で述べていました。

五社監督を敬愛して止まない友近は、MCの高山から五社映画の魅力を問われ「何回観ても飽きない」ときっぱり。「毎回、細かな発見があるんですよ」と熱っぽく語り、「『吉原炎上』にもあるんですけど、女優さんの口に爆風を当ててほっぺを揺らす演出が、今回もあったんですよ」と興奮気味。「出演者の、“女優生命を賭けてます”と言うのが伝わってくる」鬼気迫るものがあるのも魅力だと推しました。

人物像についてを聞かれた五社巴さんは、「お金に固執しない、職人だった」と打ち明けます。それを耳にした友近は、「五社イズムを感じています」と発し、自分のやりたいことがある人はお金は度外視すると言い、「私もほんとにやりたいことをやりたいタイプ」と五社監督に共鳴している様を見せていました。

五社監督の晩年3作品に携わった奥山さんは、「監督がこの映画を撮っていたのが、今の僕と同じ「63歳」。自分の歳と同じなんだとわかって『生きているうちに、お前やれよ』と言われている気分になりましたね」と気が引き締まった様子。「生きているうちに燃え尽きろと教えてもらった。無茶苦茶やろうかな」と自らを発奮させます。それを察知した友近はすかさず「これもご縁だと思ってます」と売り込み、「自分で掴んでいかないと」と映画出演をちゃっかり狙っていました。

客席に前日の上映にも足を運んでくださった方を見つけ奥山さんは、「五社映画の世界から、だんだん抜けられなくなるでしょう?」と声を掛け、はじめて五社作品を鑑賞した方を挙手で確認し、新たな五社監督ファンを取り込めたとにっこり。特集上映の成功の手応えを感じ取っていました。「今日、ハマった方も多いと思うので、また五社さんの映画を堪能してほしい」と友近も後押しします。

今回、「生きているうちにやる」のを教えつづけてくれたのだと改めて気づいたことを何度も口にする奥山さん。最後に、「リミットを決めて、死ぬ気で頑張ります」と決意表明。その勢いに五社巴さんも刺激を受け、「何か実現したいと思います」と同じステージに立った奥山さん、友近と一緒に仕事ができる日を願っていました。

#京都国際映画祭 #友近 #ケツカッチン高山

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