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幕末のイケメンが活躍する人気作『薄桜鬼』に女性が殺到!“生みの親”藤澤総合Pから貴重な制作秘話も!-『劇場版 薄桜鬼 第一章 京都乱舞』舞台挨拶

2017年10月13日(金) レポート

今年で4回目を迎えた『京都国際映画祭』の映画部門に、新たに加わったカテゴリー「アニメーション」。10月13日、イオンシネマ京都桂川では、『劇場版 薄桜鬼 第一章 京都乱舞』が上映され、総合プロデューサーの藤澤経清さんが舞台挨拶に登壇。司会のアニメ評論家・藤津亮太さんともに、同作の魅力や制作秘話を語りました。

2008年に発売された同名ゲームを原作に、新撰組の隊士など激動の幕末駆け抜ける男たちを描いた『薄桜鬼』。“乙女ゲーム”と呼ばれる女性を主人公にした恋愛ゲームの人気作で、江戸から京の町にやって来た娘・千鶴が新撰組と出会ったことを発端に、波乱のストーリーが展開されていきます。今回、上映された作品は、3作のテレビアニメシリーズ、OVAシリーズを経て、2013年に登場した劇場版アニメの第1作です。テレビアニメの再編集版ではなく、まったく新しいストーリーで展開された意欲作は絶賛をもって迎えられ、3ヶ月を超えるロングランを記録。公開当初は全国31館での上映でしたが、最終上映館数は81館を突破する大ヒットとなりました。

個性豊かなイケメンたちが活躍する作品とあってか、客席はほとんどが女性!その熱い視線に見守られながら挨拶に立った『薄桜鬼』の生みの親・藤澤さんは、「『薄桜鬼』のゲームが生まれて今年で10年目。ここ京都で劇場版が上映されることを大変喜んでいます」と感慨深げに語りました。

また、ゲームを原作とした作品ならではの制作裏話も。ゲームではプレーヤーが選ぶ攻略ルートによってストーリーが変わりますが、これを活かし、テレビアニメ版は土方歳三の視点で進む“土方ルート”で、OVA版は沖田総司ら5人の登場人物のそれぞれのルートに沿って制作。劇場版は、最後に残っていた主人公の千鶴をメインに据えてストーリーを練り上げたといいます。「男たちが刀でバンバン斬り合う話で女性を出すのは難しい。千鶴が出すぎず、かといって抑えすぎず…というさじ加減に苦労しました」と藤澤さん。また、アニメはゲームよりセリフにかける“尺”の長さが短くなるため、「ものすごくゆっくりとしゃべるのが特徴のキャラクターも、声優さんにしゃべる時間を短く調整してもらうことに。これが声優さんには大変だったと思いました」と思わぬ苦労を明かしました。

ですが、あくまでもプレイヤー=主人公の目線で展開するゲームと違い、「主人公の視点から離れた場面、たとえば主人公と一緒にほかのキャラクターがいるシーンや、主人公が知らなかったエピソードを描写するシーンもあり、僕らがゲームでは描けなかったことができたのは新鮮でおもしろかったです」とアニメ化に大きな手応えを感じたという藤澤さん。ゲームという枠を超え、映像作品として新しい可能性を広げてきた『薄桜鬼』が長らく愛される理由を「作り手が作品をおろそかにせず、大事にしてきたこと。キャラクターの魅力を損なわず、本編を真面目にストイックに作ってきたことだと思います」と話し、客席のファンから大きな拍手を浴びていました。

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