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伝説のコメディエンヌのサイレント映画を山崎バニラさんの活弁とおしゃれな演奏で上映

2017年10月15日(日) レポート

10月15日(日)、大江能楽堂にて、「伝説のコメディエンヌ~喜劇の女王 メーベル・ノーマンドPart2」が開催されました。

今回は、1910年代のサイレント映画全盛期を代表するアメリカのコメディエンヌ(喜劇女優)、メーベル・ノーマンドの代表作『水の妖精』と『臨時雇の娘』を上演。
どちらもチャーミングなユーモアが随所に散りばめられた作品です。

司会はアッパレードの木尾が務め、活弁は、京都国際映画祭は2年ぶりの山崎バニラさん。演奏に坂本真理さんを迎え、キーボードをメインに、世界各国や手作りなど約20種類の楽器でオリジナル曲を奏で、映画の世界観を演出。そして効果音としても参加した「喜劇映画研究会」代表の新野敏也さんが解説を担当しました。

開演のサインが出ると、早速、上映時間8分のサイレント映画『水の妖精』(1912年)が始まりました。

監督マック・セネット、主演メーベル・ノーマンド。メーベルとマック、そしてマックの両親が登場して、ドタバタ喜劇を展開。

無声映画ですが、坂本さんの演奏、新野さんの波の効果音により、雰囲気が伝わってきます。

「メーベルはチャップリンの初期の共演者で、ハリウッドの当時のトップ女優で、肺結核によって37歳という短い生涯を閉じます。そしてこの2人を発掘したのがマック・セネット監督です。

この作品では、マック・セネットが独立して初めて作り、そして恋人役としてメーベルと初共演した映画。ボディースーツのようなピッタリした水着を着せてセンセーショナルにもなりました。ここから、アイドルを出すのが始まりました」、と当時の背景を盛り込みながら新野さんが解説。

続いて『臨時雇の娘』(1923年)が上映されます。
ノーマンド主演で、セネットが原作とプロデュース。そしてF・リチャード・ジョーンズが監督を担当する、上映約70分の中編人情喜劇。

当時交際していた監督が殺され嫌疑にかけられるなど、トラブルが続き、ハリウッドから干されかけていたメーベルを、セネットが助けるために制作したメーベル最後の作品。

「メーベルを救うための凝って作った映画で、月明かりに照らされたきれいなシルエットの夜のシーンなど、演出もよく練られています。

セットも作り込んで対比を見せるなど、ハリウッドの名画に合わせた構成で、画期的な演出も見所です。

チャップリンやハロルドロイドの写真を貼るなどしてゲスト出演させ、遊び心も満載。

ライオンのシーンは、本物のライオンにやられているところはスタントなし。特撮を取り入れている部分もあります」と、セネットがメーベルのために、作品に込めたこだわりエピソードを紹介してくれました。

最後は出演者が舞台に集合し、撮影会で会場を盛り上げ締めくくりました。

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