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西日本でいちばん人口が少ない町・笠置町の魅力を町民参加の映画でアピール!『笠置ROCK!』舞台挨拶

2017年10月13日(金) レポート

10月13日(金)、よしもと祇園花月にて、『笠置ROCK!』が上映され、馬杉雅喜監督、出演の尚玄さん、音楽を担当したココロオークションの粟子真行さん&大野裕司さんが舞台挨拶に登壇しました。

MCは、ザ・プラン9のお〜い!久馬が担当し、トークをナビゲート。まずは同作を撮影することになった経緯について、馬杉監督が「去年の春ごろ、西日本でいちばん人口が少ない町・笠置町を盛り上げるため、映像を作りたいというお話をいただいたのが始まり」とコメント。「CMを作ろうと街を歩いてみたが、これという題材がなく、いろいろ考えた末、人が少ないことを逆手にとって、町民全員で映画を作ろうと提案したんです」と説明しました。

キャストはオーディションで決定。「朝、町内のガソリンスタンドに寄ったら、オーディションをやってるらしいと聞いて。仕事に行かないといけなかったので、『名前書いて出しといて』って言ったら、そのまま合格した」人や、数年前から街おこしの活動を行ってき町民の一人は「個人でやっていても鳴かず飛ばず。その中で、こういう面白い話があると聞き、もともと人前に出ることが好きだったので、願ってもないチャンスと思い応募しました」と。ちなみに息子さんは、学校の授業で落語をやっており、それをオーディションで話したところ抜擢され、劇中でも落語を披露しています。

テーマとしてボルダリングを選んだきっかけは、笠置町である岩場を見かけたこと。「9月から制作をスタートしたが、まだ台本できていなくて。そんなとき、川原にある岩場が目に留まった。若者がその岩場に消えていくのをよく見かけたので、取材してみたらボルダリングだ、と。オリンピックの新種目でもあり、これしかないと思いました」(馬杉監督)。なんと劇中に登場するボルダリング大会が、来年から実際に笠置町で開催されることが決まったそうで、公開前から早くも映画の効果が現れているようです。

ヒロインの大場美和さんは、ボルダリングで五輪を目指している代表候補選手。CM出演はしていましたが、演技は初体験だったため、町民の皆さんといっしょに練習しながら撮影に取り組みました。当初は、全キャスト笠置町民で撮影しようと考えていた馬杉監督でしたが、「オーディションに適齢の年齢の方がひとりも来なくて…」と苦笑い。そこで、大場さんや古館佑太郎さん、尚玄さんがメインキャストとして出演することになりました。

尚玄さんは、撮影前に1カ月ほどボルダリングのトレーニングを受けましたが、「あんまり成果が見せられなくて(笑)」と謙虚なひとこと。トレーニング場とは違い、本当の岩場での撮影となるため、「何メートルもあって、けっこう危なかった」とも。何とかケガなく撮影を終えましたが、監督によると慣れない岩場にスタッフも四苦八苦で、時間通りに進めるのがかなり難しかったとのことでした。

また、ココロオークションに音楽を依頼したのは、彼らのMVを馬杉監督が手がけており、これまで4本を笠置町で撮影していたからだそう。その際に、町の方からCM映像制作を依頼されたため、「ココロオークション以外、考えられなかった」と馬杉監督。粟子さんは「素直にうれしかった。(MVの撮影で)何度も足を運んだので、ここが舞台の映画ならぜひやらせてください、と。主題歌だけじゃなく映画の音楽すべてということで、神聖な気持ちでやらせていただいた」とニッコリ。大野さんは「最初に提出した音楽は、監督からぜんぶNGを出されて…。でも、そのおかげで、僕のなかでも音楽の新しい扉がたくさん開けたと思います」と笑顔を見せていました。

この後、なんと粟子さんが『景色の花束』を弾き語りで披露してくれるという特別サービスも! 美しい歌声と音楽に、観客はうっとり。尚玄さんも「素晴らしいですね」と大絶賛していました。

最後は馬杉監督から、改めての挨拶で、「ボルダリングもキャンプもできるし、川で釣りやカヌー、山でハイキングやサイクリングもできる。自然と調和のとれた美しい町です」と笠置町の魅力を絶賛。続けて「来週の10月21日から、イオンシネマ京都桂川でロードショーが始まり、その後、全国でも上映される。多くの人に見ていただき、ちょっとでも興味を持ってもらって、『次の休みの日、あの町に行ってみようかな』って思ってもらえたらうれしいです」と呼びかけると、会場は再び大きな拍手に包まれていました。

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