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『京都国際映画祭2017×京都マルイ グループ展〜栗山義勝、はまぐちさくらこ、たいぞう、野性爆弾くっきー〜』で、強烈な個性がぶつかり合うライブペインティングが開催!

2017年10月13日(金) レポート

京都国際映画祭は作品上映のみならず、プログラム内容にアート色が濃いのも特徴のひとつです。会場となっている京都マルイ6Fイベントスペースでは、『京都国際映画祭2017×京都マルイ グループ展〜栗山義勝、はまぐちさくらこ、たいぞう、野性爆弾くっきー〜』が10月15日(日)まで開催されています。ハワイアートで人気の栗山義勝さん、京都在住で直感的かつ独創性にあふれたタッチのイラストで注目の現代アーティスト・はまぐちさくらこさん、今年「大阪府障がい者芸術・文化大使」に就任したアート芸人たいぞう、個性的で観る者に強烈なインパクトを残す野性爆弾くっきーの作品が一堂に集められ、フロアの一角で異彩を放っています。

10月13日(金)には、はまぐちさくらこさん、たいぞう、くっきーによるライブペインティングが実施されました。キャンバスの前に集まったギャラリーの間を抜けて登場した3人と、MCを務める野性爆弾ロッシー。会場を見回したたいぞうは「こんなにたくさんの人が」とうれしさを滲ませます。それぞれ順番に挨拶をした際、「声がちっちゃいな」とくっきーに指摘されたはまぐちさん。気持ちで負けるもんかと「今日はもっと声を出していきます」と張り上げ、ライバル心(?)を燃やしていました。

まずは絵のテーマ決めから。はまぐちさんがポンッと「今、描きたい絵」と言うと、くっきーが「アーティストぶってるなよ」と詰め寄るので、「怖くないんで」とたいぞうが間を取り持ちます。はまぐちさんが口元に手を当てうつむき加減になるので、「泣かした?」とロッシーがおろおろ。泣くどころかはまぐちさんは笑い出し、にぎやかにペインティングがスタートしました。たいぞうは、対象者のエピソードを引き出しながら描き上げるスタイル。挙手制で希望者を募り、描き進めていきます。クッキーは「部屋の間取りでも描こうかな〜」とおどけながら、母子で来ていたお客さんをモデルに選びました。

3枚の色紙にそれぞれ仕上げていくたいぞう1人目の方は「司法試験に受かった」女性。たいぞうがいろいろと聞き出すのを見て羨ましくなったのか、はまぐちさんは「私もそういう風にしたいです」と描き方のスタイル変更を申し出ます。そして、近くにいた「クッキーの大ファン」という男性からのリクエストでくっきーの似顔絵を描くこととなり、「あなたの愛を(くっきー本人に)伝えるように描きます」と宣言。刷毛に付けた黄色をキャンバスへ大胆に塗っていきます。

筆でラインを引きスタートさせていたくっきーは「大きいのしんどい。色紙サイズにすればよかった」と文句タラタラ。すると「私が用意したのに……」と、はまぐちさんを落ち込ませることに。そんなことはないと慌ててくっきーが訂正すると、「嘘つきー」と大声ではまぐちさんは返します。何やらふたりの間で静かなバトルが続いているようです。

20分ほど経過して、「できた」とはまぐちさん。本人のかわいらしさを高濃度で抽出したような、愛らしいくっきー像がそこに。「めっちゃかわいいやん。あったかい絵」とくっきーが感想を述べると、「ここからさらに加えます」とはまぐちさんは色を重ねていきます。

続いて、たいぞうの1枚目が完成。「夢へと続く道」とタイトルされた作品が示すストーリーを、丁寧に解説していきます。その後は、「学校生活の楽しい」学生さん、「孫のピアノを応援している」女性から背景を聞き出し、具現化していきます。その様子を見たくっきーは「人の人生を描くんですね」と感心しながら、ぼそっと「重たい絵やで」と評していました。

その頃、はまぐちさんのキャンパスからはすっかりくっきーの影は消え、「HAPPY BIRTHDAY」の文字が中心に踊るものに変わっていました。「友だちが赤ちゃんを産んだんです」と祝祭ムードに満ちたはまぐちさんの作品を目にして、「おめでとうの絵に、2作目がはじまってたんですね」とあまりの様変わりに驚くロッシー。うなづきながらもはまぐちさんは「ふたりは芸人さんだから話術がすごいので、絵で勝負もしているのかなと思っていたのですが」と途中経過をチラ見し、「芸人さんやからとなめてました」とたいぞう&くっきーの作品のうまさに驚嘆する一幕も。

そうして、はまぐちさんは色に色を重ねて同じキャンバス上で3作目に突入。すでに描き終えていたたいぞうから「なぜ描いたものを消したのか」訊ねられ、「絵は人生と同じように積み重なっていくもの」と回答。なるほどと理解したたいぞうが「これは、何歳ぐらいのくっきーですか?」と質問を重ねると、「100歳のくっきー」とにこにこしながら答えるはまぐちさん。布でトントンと叩いたり、掌も使ったり、実に愉快そうに作品を仕上げていきます。

一方、くっきーも完成に近づいていきます。母子のバックに浮遊物のような物が描かれたのを見てたいぞうが「これにも意味があるんやもんな」と重々しい口調で述べると、「絵って、意味あるんですよ。こだわるもんですから」と、くっきーはいかにもといった得意げな表情で返します。と、そんなやり取りをしているうちにようやく完成。モデルの母子にキャンバスの前に立ってもらい見比べます。かなりの相違点があるものの、ご本人は大喜びしていました。

ロッシーに完成10秒前のカウントダウンをお願いしていたはまぐちさん。その時を迎え、ロッシーがカウントを取ります。できあがったのは、「くっきーさんが100歳を越えて、死後の幽玄なる世界へ」という荘厳なイメージものです。まさかのテーマに「こんな明るいんや!」とくっきーがビックリしていると「(私たち)3人も描いています」と小さく小さく真ん中に描いたとはまぐちさん。「今日、3人で描けたのがうれしくて」と楽しさを表現したのだそう。それを受けて、くっきーも気持ちが上がったのか「また3人でやりたいですね」と返し、ほのぼのした雰囲気で終了しました。

同会場では引き続き、それぞれのアーティストの作品を展示中です。それぞれの個性と個性が共存し合う京都映画祭開催期間中でしか楽しめない空間へ、ぜひ足を運んでみてください。

#京都国際映画祭 #栗山義勝 #はまぐちさくらこ #たいぞう #野性爆弾

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