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国連と提携して繰り広げた『SDGs-1グランプリ』はNON STYLEが優勝!

2017年10月13日(金) レポート

『京都国際映画祭2017』では、持続可能な17なの開発目標SDGs(エスディージーズ)を、笑いの力で、分かりやすく皆さんにお伝えするイベントを実施し、2030年を笑顔あふれる世界への第一歩となるよう目指しています。よしもと祇園花月では「SDGs花月~映画もお笑いも新喜劇もぜんぶ~」と題し、ネタイベントや吉本新喜劇を上演。10月13日(金)には、人気芸人がSDGsの17の開発目標を盛り込んだネタを披露し、優勝者を決定するイベント『SDGs -1グランプリ』が行われました。

出演は、司会進行がケンドーコバヤシとつぼみ・吉岡久美子、ネタチームがフースーヤ、コロコロチキチキペッパーズ、桜 稲垣早希、ダイアン、NON STYLEで、特別審査員に西川きよし、国連広報センター所長・根本かおるさんが登場しました。

ネタチームにはイベントの内容は知らされておらず、舞台上で発表。「SDGsの17の開発目標」を3つ、ネタに盛り込み、披露するというルールが発表され、頭を抱える芸人たち。その場で3つをチョイスしましたが、NON STYLE・石田は「もう、入れられるだけ入れ込みます!」と気合十分。「これは高度ですよ!」とケンドーコバヤシ、審査員の一人として後輩のネタをジャッジしました。

きよしは“ネタ作りのアドバイザー”という立場でもあり、「小さなことからコツコツと」とおなじみのご挨拶で始まり、「吉本に入って53年、横山やすしさんとコンビを組んで30年。人生、大変でした!」と、石田の方をくるりと振り返って目力を込め、「大変やったな」と一声かけました。

ネタを披露するのは芸歴の浅いコンビからということでトップバッターはフースーヤです。フースーヤは「飢餓をゼロに」「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさも守ろう」をセレクト。この目標文言を、ハイテンションギャグ漫才にねじ込み、沸かせました。審査員評では「気合だけは伝わってきました」ときよし。根本さんは「シュールでした。すごいテンポでしたね!」とハイスピードで駆け抜けた彼らを評価されました。

コロコロチキチキペッパーズは音ネタ漫才に「ジェンダー平等を実現しよう」「人や国の不平等をなくそう」「パートナーシップで目標を達成しよう」の3つを取り込みました。すぐに参加できそうなゲーム仕立ての音ネタ漫才、きよしは「実に上手に構成されていました」と高評価でした。根本さんも「面白かったです。きれいに取り込めていましたね。目標のフレーズが漫才の中に出てきたとき、お客さんから拍手が起こって。そういう反応もよかったです」とコメントされました。

稲垣は貧乳・巨乳を取り扱ったフリップネタを。今回が初披露という新作でした。胸の大小は気にせず生きよう!というメッセージ性のあるネタでしたが、時に過激な表現も。本題のSDGsの開発目標は「すべての人に健康と福祉を」「人や国の不平等をなくそう」「平和と公平をすべての人に」で、稲垣の悲痛な叫びそのものが、この開発目標を訴えかけているようでした。「すごい発想力ですね。巨乳に対するコンプレックスをばねに、ここまでのし上がって来られたことが伝わってきました!」と驚きの感想を語る根本さん。きよしとケンドーコバヤシは「平和にと訴えるのに、あの過激な表現はあかん」とやや辛口コメントを残しました。

ダイアンが選んだ開発目標は「つくる責任、つかう責任」「気候変動に具体的な対策を」「陸の豊かさを守ろう」でした。この3つを「職務質問」を扱った漫才に取り入れるということで、どういうふうに表現されるのか、みな、興味津々でした。結果は、想像をはるかに越えた西澤の取り入れ方に会場は大爆笑、奇天烈な西澤のキャラに翻弄される津田の姿にも笑いが絶えませんでした。「ネタは面白いけど、フースーヤ以上に強引に取り入れた! 一番しょうもない!」と愛ある喝を入れるケンドーコバヤシ。根本さんは「理屈抜きにクセになりそうですね!」と、ネタそのものへの賛辞を贈られました。

最後はNON STYLE。“全盛りもあるか!”という雰囲気を漂わせて漫才を始める二人。井上をいじったハイスピード漫才で、次々と開発目標を取り入れていきました。「大きく捉えると開発目標に当てはまるものばかりで、すごいですね」と根本さん。きよしも「数えてみたら8つ、取り入れていました。なかなかよくできたものです!」と声を弾ませました。

結果を発表する前に、ネタチームそれぞれに感想を尋ねました。フースーヤ・田中ショータイムは「かみまくってしまった」と悔恨の念。谷口も「僕らが一番、混乱してしまいました」と本調子でなかったよう。そんな二人に「先が楽しみや!」ときよし、エールを送りました。コロコロチキチキペッパーズ・西野も「初めてだったので、かなりちょっと…」と苦戦した様子。それでも拍手が沸き起こったときのナダルの“どや顔”は気になったそうです。稲垣はやり切ったと言わんばかりに、すがすがしい笑顔を浮かべていました。ダイアン・西澤は「お客さんが気づかないぐらい、自然な形で開発目標を入れ込むことができました!」と満足気。そんなダイアンにきよしが「単車のネタやって!」と突然、リクエストを。ですが、ダイアンは単車のネタをやったことがなく、最後まで「単車のネタはありません!」ときよしに説明していました。ネタに対する意識が年々、強くなっていくNON STYLE・石田へは、感想を尋ねるのではなく「ちょっとは休め」と声をかけるケンドーコバヤシ。「ネタのこと、考えすぎなんですよ! このままでは体を壊す!」とかなり心配していました。

優勝コンビの発表は根本さんにお願いしました。根本さんが選んだのは、NON STYLE! 『M-1グランプリ』に続き、『SDGs-1グランプリ』も制覇したNON STYLEには“国連グッズ”が贈られました。吉岡がその勝因を尋ねると「持ちネタにどんどん入れていって、そのチャレンジ精神がすばらしかったです」とのこと。「これからも若手の皆さんをぐいぐい引っ張ってほしいです!」と、二人の活躍に期待を込められました。

「まさか優勝できるとは思ってなかったので、うれしいです」と喜びを語る井上。きよしが「8つ、取り込んでいた」と言っていた開発目標については、石田が「実際は11は入れていて…」と控えめに訂正。「8つだった!」と譲らないきよしでしたが、最終的には「8.5」という数値に着地しました。そして「優勝しましたし、NON STYLEを国連に連れていってあげてください」と根本さんにアピールするきよし。井上は「恐れ多いです!」と即時、辞退していました。

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